シモネタキュレーションの時代
kenzee「イヤ~やっぱギャル演歌はイイにゃあ」
司会者「またギャル演歌? 加藤ミリヤのリンダリンダのヤツの話か?」
kenzee「なにを言ってるんですか。MAICOですよ。今年の3月にデビューアルバムがでたばかりの才能ある若いシンガーソングライターです。今年の3月にでたアルバム「LIFE IS SPECIAL」は鮮やかに2010年代を切り拓く、「現代におけるドリカム関係とはなにか」を問う快作です」
司会者「フ~ン、浜崎さんのようにドロドロしてないし、加藤ミリヤのような洋楽への憧憬もない、コンビニのBGMで流れたときにもっとも説得力を持つタイプの音楽ですね」
kenzee「また、西野カナのようなコンプレックス丸出しの歌詞世界でもない、とても屈託のない歌詞。こういう歌詞は新興住宅地で育った人にしかだせない味だと思うのだがどうか」
司会者「確か「ラララハッピーデイズ」のように楽しいキャンパスライフを平然と歌うところなどこの人は「ケータイ小説的想像力」から切れてるように思いますね」
kenzee「ひとことで言うとポジティブな音楽なのだ。だが、まさかこんな若い女性シンガーソングライター(1985年生まれ)がユーミンさんやドリカムを聴いて育ったわけではないだろう。彼女の青春には常に浜崎のようなトラウマ音楽がBGMのように流れていたはずだ。だが、彼女はトラウマを語ろうとしない。負の感情を共有しようとしない。とても肯定的な音楽なのだ。っていうようなことを今でてる「Quick Japan96号」(オードリーの春日じゃないほうの人が表紙の黄色いヤツ、またはももいろクローバーのリーダーの人)のコラムページに寄稿させていただきました。よかったら読んでネ」
司会者「長い前フリの宣伝だなオイ!」
kenzee「最近、新書をまたイロイロ読んでてね。佐々木俊尚さんの「キュレーションの時代」(ちくま新書)を遅ればせながら読んだ。超手短に説明すると、もはや現代のマーケティングとはかつての「若者向け」や「F1層」向けといったような大雑把な括りでは到底適切な戦略がたてられない趣味が細分化された時代だ。たとえば90年代に一世を風靡したCDショップHMV渋谷店の閉店について佐々木さんはこう述べる。かつて個性をウリに全国展開したHMVだが、90年代終わりぐらいから画一化された店舗になり、店の個性が失われ、寒々しい店舗となった。かつて名物店員と呼ばれた人たちが持っていた機能を今はブログやツイッターなどネットメディア、また、そうしたメディア上で埋もれた才能や作品を発掘するオピニオンリーダーたちを佐々木さんは「キュレーター」と名づける。また、佐々木さんはご自身も現代のキュレーターを自認していてこんな風にネット界を観察しているのだ」
私は2009年の終わりごろから、キュレーションという新たな可能性を感じるようになり、ツイッター上で自分自身によるキュレーション活動を実験的に始めてみました。日ごろ私は、膨大な量の情報をウェブ上で収集しています。(キュレーションの時代)
そしてグーグルリーダーに登録しているサイト数は700ぐらいで、一日、1000から1500ぐらいの新しい記事が流れてくるのだそうだ。それらの見出しにすべて目を通し、その中から数十の記事は本文を読むのだそうだ。つまり、」
司会者「だからこんなしょーもないタイトルつけたんか」
kenzee「佐々木さんはウチのブログをおそらくグーグルリーダーに登録している。そして1000近い見出しがバーっと並ぶ中で「シモネタキュレーションの時代」などというバカ見出しが流れてきたらきっと読まずにおれないだろう」
司会者「そんなくだらないイタズラはよせ! 佐々木俊尚さんタダでさえ多忙なジャーナリストなんだぞ!」
kenzee「ウチのブログも佐々木さんや速水さんや東浩紀さんのような有名ブロガーや莫大なフォロワーを持つ人のツイートによってフックアップしていただいたという経緯を持つ。こういった人々のキュレーション活動がなければQuick Japanの編集者の方にチンコブログが目に留まることもなかっただろう。そこで恩返しというわけでもないが私もネット上に眠れる獅子たち、世間に知られていない文才をこのボクちゃんがキュレーションしようと言うのだ」
司会者「で、とっておきのシモネタのブログを紹介するのか」
kenzee「ある日、私はいつものように関西の風俗サイトを巡回していた。もちろん、ホテヘルやデリヘルといった業種のサイトなどHMV以上に画一的だ」
司会者「大体アレって言葉決まってるでしょ、「超絶美女! ついに登場!」とか「トビっきりの巨乳ギャルが責めまくりで即昇天!とかパターンあるんですよね」
kenzee「パターン・サイエンス」(by思想地図)やね。だが、この大阪は梅田に店舗を構えるホテヘル「ヒーローズ」の煽り文句は風俗界きっての独創性で他の追随を許さないのだ。たとえば美咲あいきちゃん(18歳)など、こんなコメントだ。
お店コメント……美味しそうなアノ子! あいきちゃん登場です。彼女の全身からエッチな香りがプンプン、リザーブ願います! 貴殿の食指メーター振り切ること確実でございます。お潮の加減もイイ塩梅。貴殿の指技の好スパイスでございます。恋人気分で乾杯! 美味しい料理とワインに舌鼓(いやらしい意味で)を打ちます。夜景も奇麗だが君の瞳も綺麗だよ(80年代風)
司会者「この店員、楽しそうに仕事してるなあ」
kenzee「今井さやちゃん(19歳)のコメントなどは秀逸だよ!
平成3年生まれ! またまた胸の大きなティンネイジャーが入店してきました! なんとこの10代、元カレは我々世代の人気職種No.1の「トラック野郎」!! それを聞いた瞬間面接官の頭上には紐に吊るされた星の飾り物がキラキラと輝き「さ・さ・採用です! もちろんトルコなんて行ったことありません!!」と尋常ではない舞い上がり方だったとか…。経験が浅く「スマタは苦手だけどフェラはばってん荒川が餅を食べるような感じをイメージしながら咥えちゃいますよ♪」と10代のクセになんでそんなディープなネタを知ってるんだ? と疑いたくなる発言をしておりました。最大積載量は「夢いっぱい」今日も泣いてるヤモメのジョナサン!!!
司会者「この店員、女の子の魅力を顧客に伝える、という目的を忘れてないか?」
女の子(さやちゃん(19歳)のこと)コメント……いちゃいちゃしましょ♪ よろしくでーす! 好きなタイプは運送業関係の純朴な匂いのする人です。ハンドル握ったり積荷を積んだりトイレの紙を探したりした男らしい手で私を運転してください。ごっくん上等、発射オーライ!でも交通ルールは守ってほしいナ♪ トラックの排気音、ブレーキ音を聞くとどうにかなっちゃいます…ああ、トラック(大型)のことばかり考えてます…。好きな言葉は「荷台」
司会者「コレ絶対、女の子のコメント例のオモシロイ店員が書いてるだろ! 今の19歳がこんな文面書くか!」
kenzee「次の遠野まやちゃん(24歳)のコメントなど、どんなタミフル服用すればこんなブっ飛んだ文章書けるのか」
当店イチオシの棒倒し競争チャンプ☆まやちゃん! 寝ても覚めてもポール、ディック、ペニー…のことばかり考えています。キンキンに凍結した貴殿のアイスキャンディー溶解必至でございます。Gカップバストによるパイズリは呼吸困難確実! 甘えん坊にして甘えん棒なのでイチャイチャ・プレイが必殺技とのこと。
女の子コメント…おち○ぽなめたいです♪ 男の人の下半身、男の人のパンツの中が大好き♪ なめたい、触りたい、硬くしたい、癒された~い♪ あなたの下半身に亡命したいな~♪ あなたの下半身に住みたいな~♪ あなたの下半身に名前をつけて呼びたいな~♪ ここで一句「お棒さん、私と一緒に一休さん」
司会者「だからちゃんと女の子にコメント書かせろって!」
kenzee「このコメントがホントに女の子が書いたものだったら違う意味でこの店「ヒーローズ」やね。この星咲りおんちゃん(19歳)のコメントは絶対19歳の女性の書いたテクストではないことは明白だ」
女の子コメント…一生懸命頑張ります! 趣味は料理です。肉じゃが得意なんです。お兄様たちの肉じゃがたら料理にもチャレンジしたいです。お兄様たちの肉じゃがたら皮むきしながら首すじを責めてください。好きなタイプは江戸アケミさんです。クニナマシェ!」
司会者「このりおんちゃん(19歳)が生まれる前の音楽の話してどーすんの!」
kenzee「かの芥川賞作家絲山秋子さんが「文章の良し悪しは一行目で決まっている」と仰ってましたが次の書き出し(菅原りえちゃん(27歳)のコメント)はどうだろう。
兎我野町に色情総合百貨店がオープン!
司会者「行きたいわ! その百貨店」
愛嬌タップリお喋り上手でお湿りタップリお咥え上手でございます。超敏感な全身は責めポイント満載でお潮さんで足元ツルツル転倒注意でございます。
司会者「たまにはベタなことも言うんだな」
kenzee「この文才店員、どうやらハードロック、ヘヴィメタ野郎のようなんだね。次の女の子は高崎あきら(22歳)ですよ。
激安店にしては明らかにオーバースペック気味! 期待大の新人さんが入店致しました! その名も高崎あきら!」
司会者「書いてるアンタがどうせ名づけてるんでしょ!」
kenzee「激安店にしてオーバースペックって、ちゃんとわきまえてるんだなあ」
生まれ持った性欲はまさにLOUDNESS! 世界を震撼させたライトハンド手コキは最高BPM300!! 殿方のメイプルネックと性MOREダンカンを最大限に活かすテクニックは神レベル! そんな彼女と重厚なアンサンブルを奏でてくれるメンバーをただ今募集いたします!
kenzee「とにかくよくそんな次から次へとデタラメが飛び出るのものだ。優れた文才の持ち主なのは間違いないが残念なのはこのお店のサイトの目的、「顧客の性欲を喚起する」より笑いが先に行ってしまってるところか。次は襟裳みさきちゃん(27歳)だが」
司会者「ラウドネスの次は森進一かよ!」
kenzee「おそらくエクストリーム系の音楽全般がお好みなのだろう。こんなコメントだ。
彼女面接時はセーラー服でしたから。「セーラー服と機関銃」の頃から大の薬師丸ひろ子ファン(原田知世、渡辺典子、でも可。角川三人娘)の面接官はそういう意味で躁状態!「快感……」何度もつぶやいておりました。
司会者「いったい「セーラー服と機関銃」の「快感…」ネタは何歳まで通用するものなのか。
上原さやかちゃん(25歳)のコメントもヤケクソだ」
ビーチク(乳首)が性感帯でイチャイチャプレイに定評アリ。レッツゴー、ビーチク、SxOxB(すごいオーガスムなビーチク)でございます。いにしえの文明の起源は大河から。新時代のエロ文明は☆M女さやかちゃんが誘います。乳首がユーフラテス川!!(チグリス、ユーフラテス川)
司会者「チグリス、ユーフラテス川って20年ぶりぐらいに聞いたわ!」
kenzee「まさか世界史ネタが風俗サイトで飛び出るとは。この店員さんはスゴイ天才かもしれない。こんなデタラメなテクストは書こうとして書けるものではない。気になるのはこの作者は文章からかなりの大雑把な性格であることが伝わってくるのだが、たぶん個人ブログなどという面倒なことは続かないタイプだ。自分でこの資質に気づいているかも怪しい。仕事で仕方なくやっつけたであろうデタラメ文だがここにあるのは本物の個性だ。ボクはこのくだらなさをもっとたくさんの人と共有したい。ということでこの「ヒーローズ」の店員さんをキュレーションしたい」
司会者「ところでどういう店なんですか」
kenzee「サイトを見る限りでは彼の言う通り、普通の激安店だ。もっとも安いコースで60分、8,900円(パネル指名料、ホテル代込)ということだ。すごいのは雨とか降ると1,000引きになったりするらしい」
司会者「激安っていうか…ムチャクチャ安いですね」
kenzee「これを読んだ関西人の方、梅田にあるようですのでどなたかチェックしてみて! で、どうだったか感想ください」
司会者「性MOREダンカン…か…」
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コメント
AVのパロディタイトルとかもそうですが、親父ギャグ炸裂、趣味丸出しを躊躇しないのがいいですね。
投稿: 紅 | 2011年6月20日 (月) 13時04分