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aikoの音楽はあんなウカれてるのにファンの転校生はナゼ暗いのか

司会者「前回の記事が15000アクセス突破したでちゅ」

kenzee「なんということだ。自分のネタ(現代のアイドルブームを戦後社会の近代化政策と絡めて論じたもの。結構資料とか集めて頑張ったがたいした盛り上がりもなくひっそりと終了)があんまり盛り上がらないので「オレももうダメかあ」と思ってヤケクソで他人の話題(レジーさん)にタダ乗りしたら大ヒットってコレどういうこと?」

司会者「はてブが349userでちゅ」

kenzee「オレの物書き力はともかくアンテナ力は完全に錆び付いたと証明されたということで( ・∀・)b OK?」

司会者「問題はアンテナ力やったんやなあ」

kenzee「レジーさま~」

司会者「卑屈だなオイ」

kenzee「こんだけひろがると最初のうちは「オモシロイブログだネ!o(^▽^)o」みたいなリアクションで埋め尽くされるが、だんだんヘンな揚げ足とりとかが混じってくる。だが、何年もブログをやっているとそんなのにイチイチ腹を立てたりすることはない。むしろ、普段、届かないところまで届いたという信号のようなものなのでむしろホッとするのだ。長くブログをやってる方ならおわかりいただけるだろう。そしてここまでひろがると作者の意図を越えた議論が起こったりするのが興味深い。まさかこの話が「ニコ動n次創作論」とかボカロシーンの話につながるとは想像していなかった。また、「この作者はニューウェーブの影響とか言ってるけど聴いた感じ、インタビュー通り、aikoファンが作った音楽って感じだったよ」という冷静な意見もあった」

司会者「ただ、この記事を読んでくださった人のほとんどは転校生のアルバム全体はまだ聴いてないと思います」

kenzee「これがCDブックレットの裏。制作者クレジットが載っている。

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プロデューサーの塚本亮という人はACOやMAMARAID RAGのサポート、楽曲提供なども行っている人らしいね。「東京シティ」のマーチみたいな手数の多いドラムもこの人の手によるものだ。ボクは「空中のダンス」「エンドロール」「パラレルワールド」のドラムが好きで、変わったことはなにもしてないんだけどすごく緊張感のある人肌感のあるドラムなのね。見たらやっぱり同一人物の手によるものだった。神谷洵平というドラマーでwikiにも載っている。コトリンゴ、星野源、持田香織などのサポートの経験があるそうで、ドラム界では有名な方なのだろう。覚えておこう。プロデュースのクレジットが塚本さんと水本さん共同プロデュースとなっているところを見るとアレンジのアイデアもかなりの部分で水本さん自身の意見が反映されているのだろう」

司会者「aikoとスーパーカー、リリイ・シュシュぐらいしか知らない水本さんがナゼ、アレンジやプロデュースに口を挟めるだけの知識があるのか?という問題提起にまた戻るのか?」

kenzee「そこに嵌るとまた堂々巡りになるので置いておこう。転校生アルバムにはもう1曲、スゴイいい曲が入っていて、「ほうかご」という曲なのだがこのアルバムのハイライトといっていい。

ピアノとヴァイオリン、ビオラ、チェロのトリオによる静謐なバラード。転校生アルバムは全編がこの曲が示す世界観で貫かれている。つまり、「空中のダンス」のような死への願望とは「ほうかご」に描かれる「幼児期、少女期との決別」のようなテーマの変奏である。たとえば、放課後の日常風景のなかにこの世にあらざるものを見てしまう。一幅の絵画のようなアルバム」

司会者「転校生アルバムがいいアルバムだということはわかったが、どういう方向に話をもっていこうとしてるの?」

kenzee「aikoのなにをどうしたら転校生になるのかワカラン!という話ですよ! 前回のナタリーのインタビューでもaikoに多大な影響を受けた話をしているがOTOTOYのインタビューでもaikoリスペクト話をしている。

転校生 私、一番好きなアーティストがaikoさんなんですね。中学生からずっと聞き続けてて、音源も全部好きだしライヴも何回も行ってる。自分のやってる音楽とはつながらないような気がするかもしれませんけど、歌手としては影響を受けてて。音楽的にはリリイ・シュシュ、スーパーカー、シガー・ロスに影響を受けています。

 

OTOTOY えーaikoさんとはそれも意外! どんなところに影響を受けたんですか?

 

転校生  aikoさんは歌詞、声、曲調すべて自分のなかでぐっとくるものがあって。明るい曲を歌うってイメージがあるけど、歌詞は切ないんですよ。自分もそういう風にしている部分はあるかなって思います。(OTOTOY2012年4月26日配信転校生インタビュー)

相当なaikoファンのようだ。ところでみなさんよくご存知のようにaikoの世界といえば8割「恋愛超好き、テトラポットの上に立って!ラブラブ!ウキウキー!」という世界である。ときどき内省的な歌もあるが、基本線は躁病かと見紛うほどの恋愛路線である。だが転校生アルバムにはaikoのような恋愛ソングは1曲もないのだ。また比喩表現においても転校生には高度に抽象的な表現が登場する。「ほうかご」に描かれる「窓から手を離し、うつろな目で 少女は大人になる」というようなイメージ。「成長」というテーマをこのような暗い(というと短絡的だが)筆致で描く資質はこの人独自のものだろう」

司会者「aikoの比喩といえば「ボーイフレンド」のテトラポットのヤツとかが有名ですな」

kenzee「無論、あれはチンポの比喩だ。aikoのなにをどうしたら転校生になるのか、ということを考えた。で、結局ねえ、水本さんは音楽の才能があるんじゃないかという結論がでた」

司会者「なんだソレ! 1番ガッカリなオチだろソレ! ツマランよこのブログ!」

kenzee「aikoがホントに好きでCDも全部聴いてて、ライブにも何度も参加してるのに、躁病の恋愛の歌ばっかり聴いてるのにどうしても、女子高生に人気の死にかけ人形みたいな歌ばかりできてしまうという資質」

司会者「90年代の女子高生だよソレ!」

kenzee「つまり、水本さんは天才なんじゃないかな。転校生アルバムをまだ聴いてない人にあんまりネタばらしするのもアレだが、もうひとつ、このアルバムにはaikoには絶対ない要素が含まれている。現代の格差社会における被抑圧者の叫びだ。「家賃を払って」という1分ちょっとの小品がある。「家賃を払って 小さな部屋に住む 息をしてもいい居場所を確保する 帰ってきてもいい居場所をもらうよ」という切実な歌詞。そのまま湯浅さんのNPO法人のテーマ曲にしてもいいぐらいだ。「ドコカラカ」においても「私は公務員になりたかった」という未だ、ロックの歌詞で見かけたことのない希望が歌われる。きっと水本さんはブルーハーツの「ロクデナシ(ロクデナシに貸す部屋はねえ)」は聴かずに「家賃を払って」を書いただろうし、田我流のようなラップ、アナーキーのようなパンク、そういった社会派と呼ばれる音楽を聴かずに「ドコカラカ」を書いたに違いない。となるとやっぱり、天才なんじゃないかな?」

司会者「しかし、天才っていうてもうたら話終わってまうがナ」

kenzee「才能というのはワタシみたいな普通の人にはわからないものなんです。たとえば水本さんが「aikoとかユーミンみたいな恋愛の躁病みたいな歌がキライだ。なにをそんなウカれているのだ。現代社会が今、どうなってるのかわかっているのか」と怒っていたら意味はわかる。ストーンと腑に落ちるんです」

司会者「なにがテトラポットだ、チンコの比喩にしてもソレじゃフニャチンじゃないか!とか」

kenzee「フニャチンならせつないのが普通だろう!とか怒るタイプかなと思うわけですよ、CD聴く限り。しかし、水本さんはほんとうにaikoを尊敬しているのだった」

司会者「aikoは社会に憤ったりしないしなあ」

kenzee「ぜひ水本さんに聞いてみたいのは「aikoのような恋愛ソングにトライしたことはあるか?あればナゼ、CDではボツになったのか?」「「空中のダンス」「ほうかご」のような福永武彦的世界、というか青春文学の世界と「ドコカラカ」「家賃を払って」のような社会派ソングがある。これらが共存するレコードというのを私はあまり聴いたことがないのだが、水本さんのなかではこの2つの要素は違和感なく両立しているのか」「「空中のダンス」「ほうかご」のようなワルツタイムのバラード、「家賃を払って」のようなシャッフルビート、など昨今の若手のCDにしてはリズムのバリエーションが豊富だが、なにか専門的な教育でも受けたか?たとえばドラム教室に通っていたとか。やはり作曲はリズムのパターンから組んでいくのか。(ビートのパターンから起こしていく作曲の仕方はあるが、そうするとメロディはとってつけたようなものになりがちだが、水本さんのメロディはハッキリとした起伏のある強いものだ)」「現状の日本の音楽シーンにおいて水本さんのように社会に異議を申し立てる歌(一部のラップ、ハードコアパンクを除く)は少ない。転校生の属するソフト・サウンディング・ポップの世界ではゼロといっていい状況だが、どう思うか」ということが聞きたい。直接オフィシャルサイトから質問とかできないのかな?」

司会者「オフィシャルサイトにメールフォームはなさそうだなア。ア!オフィシャルブログがあるよ! ミュージシャンには珍しく、コメント欄が開いてる! ここから直接質問したらどうかね?」

kenzee「でも。去年の10月から更新が途絶えてるし、ホントに死にかけ人形みたいなブログなのでホントに質問とかして大丈夫なのかなあ」

司会者「ちなみにaikoのオフィシャルブログは予想通りイキイキしてますよ」

kenzee「ホンマや! チュッパチャップス食いまくりだの、紅白でただの、バーン!メジャー!って感じやね!」

司会者「水本さんみたいな人から見たらこの眩しさはハンパじゃないのかもね」

kenzee「オレはマジでaikoの感想が聞きたいワ!「あなたの大ファンの子がCDデビューしたんですが「aikoとスーパーカーぐらいしか音楽知らない」って子なんですけど、でも素晴らしい才能なんです!どうですか? とかいいながらCD渡したいわ」

司会者「超興味あるね! でも相手は紅白歌手だからなあ」

kenzee「aikoブログ、ファンのメッセージボードもあるけどコレ、たぶん事務所が管理してるワ。オレらみたいな気違いがヘンなメッセージしても速攻はじかれる予感!」

司会者「ワタクシ、ミュージック・マガジン、クイック・ジャパン等に寄稿してます音楽ライターのkenzeeと申します。紅白のステージ、最高でした。ところで「転校生」という…」

kenzee「胡散クサっ! 2秒ではじかれる予感…」

司会者「水本さん自身がaikoを出待ちするとか(aikoブログによれば年明け早々ツアーとか)」

水本さん「aikoさん…コレ……わたしの……CD…」

司会者「2秒でスタッフに取り押さえられるかア」

kenzee「むずかしいなあ。思いを伝えるって。そういえばココでaikoの話したことなかったな。こんな機会でもないとaikoの話することなさそうなので次回はミニaiko論から始めよう」

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コメント

次回の記事を待たずにコメントしてしまいました。


書かれているaikoに対する認識が一般人のそれとほぼ変わらないように思います。ステレオタイプすぎるというか。
水本さんがどうかは知りませんが、aikoファンにはaikoの歌詞や世界感に文学的な深さを感じている人もいます。

あと、言うまでもないですが、”恋愛”って男女の話だけに収まらなくて、「人間」とか「人生」とか、「生物」とか「ことば」とか、そういう色んなところに派生されるものだと思うんですよね。

なので、「あの躁病恋愛ソングのaiko聞いて何でこんな歌が!?」っていうのは少し気になるところでありました。

投稿: | 2013年1月 5日 (土) 03時56分

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