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aiko千本ノック Part.4(サードアルバム「夏服」)

kenzee「先日、ブラリと近所のブックオフに立ち寄ったところ、大変なものを見つけた」

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司会者「ドキ!aikoだらけの水泳代会やないか~い」

kenzee「aikoのマキシシングルが一気に放出されていたのだ。紅さんのコメントにもあるようにaikoは「カブトムシ以降必ずシングルにアルバム未収録曲を仕込んでいる。そしてヲタ筋によればその未収録曲にこそaikoの変態作曲家としての本質が隠されていると言われている。しかし、昔と違って過去のシングルが手に入れづらい現代。メーカーも2000年代以降、ムダな在庫を抱え込まないカンバン方式を採用しているので数年前のシングルを手に入れるのが不可能ではないが極めて面倒な時代なのだ。現代社会とは。そこでブラリと立ち寄ったブックオフにて普段チェックしない邦楽女性ソロアーティストあ行を見たそのとき!」

司会者「長いな、この「UFOを見た」の特番」

kenzee「aikoのほとんどの通常版アルバムと上の画像のシングル達が捨て猫のごとくニャーニャーと私に呼びかけてくるのだ。この企画をはじめてからというものアルバム収録曲のタイトルぐらいは一通り頭に入っているのだが、曲目を見れば紅さんの言うとおり必ず1曲、ものによっては2曲、アルバム未収録曲が平然と並んでいるのだ。そしてブックオフ得意の叩き売り商法でシングルすべて1枚300円! 気がつけば私はブクオフの袋をブラ下げて家路に向かっていたのだ。

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今回手に入れたのは9枚。モチロン、コンプリートではない。未発表収録シングルに限って言えば、

・カブトムシ

・桜の時

・ボーイフレンド

・おやすみなさい

・蝶々結び

・アンドロメダ

・えりあし

・三国駅

・キラキラ

・スター

・シアワセ

・KissHug

・milk/嘆きのキス

・戻れない明日

・向かい合わせ

・恋のスーパーボール/ホーム

・ずっと

と、17枚が未入手である。モチロン、コンプリートする気などないからな!」

司会者「しかし今回のブックオフ入手によって10曲新たに追加されたわけだ」

kenzee「ゴールが遠のいたのだ。嬉しいのか悲しいのか。あと、そのaiko棚にはなんと、「GIRLY」(デビュー前のインディー盤)も並んでいたのだが、さすがにそれはブックオフもおいくら万円的なお値段をつけていたので遠慮した。「イジワルな天使~」の初期ヴァージョンは大いに気になるところだが、これはムリ」

司会者「今、シングル時系列に見てて気がついたけど紅白で歌った「くちびる」ってシングル曲じゃなかったのね。あと、NHKの連ドラ「ウェルかめ」の「あの子の夢」もシングル化されていない。wikiによれば「あの子の夢」が収録されたアルバム「BABY」が発表されたのは「ウェルかめ」終了後なので放映期間はフルヴァージョンを聴くことができなかったことになる。ソレ、どんなプロモーション戦略?と考え込んでしまう。しかもaikoはiTunesやモーラといった配信も今のところ行っていない。音質のこだわりがあるのかもしれないが今や山下達郎やビートルズまで配信の時代だというのに。「ヘンなメーカーの戦略に付き合わされてaikoかわいそう(´・ω・)」と思ったがこれはアーティストの意向でもあるらしい。このブログによれば2010年に行われたLIVE TOUR「LOVE LIKE POP VOL.13」横浜公演のMCにおいてこのような発言があったようだ。

aiko LIVE TOUR Love Like Pop VOL,13横浜公演でaikoさんがMCで「みんなはダウンロードして、i Podとかで音楽聞くんやろ?aikoもダウンロードやった方が良い?」と聞いてきました。自分は絶対にCDを買うので、まぁ配信をしてもらっても別にどっちでもいいや、と思っていたのですが、会場からは「やんなくていい~」という意見が相次ぎました。良かったと言う表情を見せるaikoさん。(Bank Bandとaikoから音楽配信について考えてみた。ブログ「弱視目線」)

ボクも未だCD派なので(iPodに入れるにしても自分で圧縮しないと気がすまない。ついでにボクは圧縮形式はmp3、ビットレートは128kbpsで十分だと考えていて、それ以上を望むならおとなしくCDのWAVデータを聴くべきだと考えている人間なのだが、最近の配信サイトはデフォルトで320kbpsとか容量が中途半端にデカくてボク的に使い勝手が悪い)aikoの意見には概ね賛同なのだが、配信にもいいところがあって、例えば昔のシングルのカップリング曲やインストヴァージョンなどはもはや配信でないと手に入らないものが圧倒多数なのだ。特にボクはシングルに大概収録されているインストヴァージョン、つまりカラオケを配信で収集している。別に歌うためではなく、歌が抜けることによってバックトラックのアンサンブルの妙などがハッキリわかるのだ。今回のブクオフ入手の最大のお宝はボク的には未収録曲よりも「あなたと握手」のインストが手に入ったことだと考えている。そのうちやるが「あなたと握手」のオケはスゴイのだ、ポップス的に。もう筒美京平先生とか東海林修とかバカラックとかも頷かざるをえないド直球のオケでこれはインスト聴きたいと思ってたのでラッキーであった。シングルにはこういう需要があって、スガシカオ「ストーリー」「Affair」のカラオケ、(ドロッドロのファンクの詳細がわかります)竹内まりや「元気をだして」(セクションみたいなガラス細工みたいなオケの全貌が!)などは歌ナシのほうが迫力があるぐらいだ(ゴメンね)。こういう短冊のシングルを今更手に入れるのは絶望的なのだが配信のおかげで今は簡単に手に入るようになった。あと、ボクはZEEBRAというラッパーが好きなのだが、本人名義の曲より他人の曲に客演する時のほうが圧倒的に好きなのである。こういうものは配信で一本釣りしていくのが最も効率がいいのである。そしてaikoは、これは意図的だと思うが未収録曲などのレア曲を一本釣りできないのである。もうロック業界において高齢者といっていいポジションのaikoが若い潜在的なファンの聴取機会、販売機会を逸していないか心配だ。aikoサイドはYou Tube、ニコ動における違法動画の削除もかなり厳しく行っているようだ。こうした(音源の聴取機会をCDに限り、初回特典、シングル収録曲、シングルブックレットといった購入者特典を確実につける)ブランディング戦略が結果、aikoの孤高のポジション(紅白11回出場歌手なのに未だインディー感パねえ)を創出したのだからなんの問題もないのだが外野の目から見ると閉鎖的という印象は拭えないのだ」 司会者「逆に配信で未収録曲を一本釣りされたくないのでは」 kenzee「あえてシングル購入した人への特典という意味があるのだろう。こんなに楽曲管理にうるさい人だとは知らなかったよ」

司会者「CDというブツにこだわる人もいればクラムボンのミトのようにCDよりハイレゾ配信に優先順位をおく人もいるしねエ」

kenzee「ちなみにシングルブックレットもミニaiko写真集となっているのだが、どれもアルバムブックレットよりも若干チラリズムなのですよ」

司会者「貧乳なのにねエ」

kenzee「というわけで今回はサードアルバム「夏服」からだ」

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2001年6月発表のサードアルバム。aiko流に夏を意識した内容だ。この頃のキャニオンの2大アーティストといえばaikoと嵐でウチのような弱小小売店はイニシャルの割り当てをギリギリまで絞られるのだった。キャニオンには今もいい印象がない。無論、それとaikoの作品は別である。1曲目からいこう。

・1曲目「飛行機」

kenzee「いつになく重い8ビートと抽象的な歌詞のこの曲は1曲目にしてアルバムのハイライトでもある。ディストーションギターとストリングスという組み合わせがクエリエイションの世界を彷彿とさせる。aikoにとってブリティッシュとはビートルズ~XTC~オアシスという流れなのだろう。「オレンジな満月」同様、aikoの中では「ブリティッシュ」と「階段進行(クリシェ)」はセットである。aikoのサウンド世界って大きく二つあって、ビートルズ、クリエイションのイギリス趣味と、バンド、リトル・フィート、キャラメル・ママのアメリカ南部の土臭い世界に大別できる。時々西海岸入ってくるが、これもタワーオブパワーやシカゴのような大所帯ファンクであって、決してビーチボーイズとかじゃないのだ。そういえば今までのところビーチボーイズを連想させる曲がないね! いかにも好きそうな感じなのに。たぶん、ディストーションギターとかホーンセクションとかガツーンと耳に痛いサウンドがないとイヤなタイプなのだろう。あと、大人数の音楽が好きみたい。ボクとは真逆の趣味だ。2本もギターが絡むが、ソロはストリングスソロだ。これがBm7→G7というヘンテコな2コードでここはaikoらしい。歌詞は「恋愛において自分のアイデンティティをどう保つべきか」という抽象的な内容。自分とはなにか、成長とはなにか、とイギリス人的な歌詞。全然似てないけどボクはThe Verveの「Bitter Sweet Symphony」という曲を思い出したよ。90年代に青春を送った人らしい一曲だ。それにしてもボクはオアシスとかティーネイジファンクラブといったクリエイション的な世界がどうにも苦手で、たぶん純然たる白人の音楽が苦手なんだと思う。ボクが好きなのはWASPでない白人、または労働者階級の白人が黒人に憧れてる状態の音楽が好きなんだ」

司会者「例によってaikoと関係ない話で消化しております」

・2曲目「be master of life」

kenzee「オープンチューニングのディストーションギターが轟くヘヴィファンクチューン。ライブを想定した曲だ。これは演奏する側もやる気のでる曲。とくにドラマーが。2001年にハイハット開きっぱなしの曲などメジャーフィールドでそうそうお目にかかれるものではない。ギタリストもここぞとばかりに風車弾きなどパフォーマンスが楽しめるだろう。(実際のところは知らんけど) こういう曲を学生バンドがコピーとかしないのだろうか。コレ、ハッキリ言って簡単な曲ですよ。ピアノとか最悪、いらんし。管だけはシンセで代用するしかないが。で、aiko曲だったら中高生の一般ピーポーにも受けるだろうし。話変わるけどaiko曲は基本、上手いスタジオミュージシャンによるマニュアルプレイなのでトラックに関しては間違いないんですよ。なのでクラブプレイとかに実は向いているのだ。たとえば大貫憲章さんみたいなロックのDJがシレーっとクラッシュとかのあとに「恋愛ジャンキー」かけるとか。レアグルーヴのイベントでタワーオブパワーに続けて「イジワル天使~」とか。アシッドジャズの流れで「傷跡」とか。とっくにやってる人いるかもしれないな」
司会者「申し訳ナイトの人たちのプレイ聴く限りJ-POPもかなり掘りが進んでますからねえ」
・3曲目「ロージー」
kenzee「67、68年頃のポール・マッカートニー作曲と言われても信じてしまいそうなビートルズ感。「オレンジな満月」以来のaiko=ポール世界の到達点である。世の中にビートルズフォロワーと呼ばれるJ-POPのアーティストは枚挙に暇がないが……奥田民生、中村一義、ミスチル、チューリップ、黒沢健一……しかしaikoを決して忘れてはならない。面白いものでビートルズ調となるとプレイヤーも乗ってくるのだ。ポール曲「Hello,Godbye」のような階段進行。小節の頭でドコドン、とアクセントをとるティンパニ、歪んだエレピ、メロトロンぽいシンセ、ジョージっぽい細い絃のスライドギター、リンゴっぽいチューニングの低いスネアとリンゴ感のフィル。ブリティッシュロックらしい鋭角的なミックス。このアルバムのテーマは「イギリス」なのかな? 「夏」って言った瞬間、大抵の日本人アメリカ行くけどね。チューブとか山下達郎とか。で、サウンドに凝った時の歌詞は得意のスキスキソングとこれもaikoの定番構成だ。そういえばaikoは奥田民生のファンだそうだが、民生のビートルズ趣味を全開にしたPUFFYをaikoはどう見ていたのだろうか」
・4曲目「密かなさよならの仕方」
kenzee「ポール曲2連発である。ハイハット全開のドラムがモノラルミックスである。aikoってこんなオタクだったっけ? ギターソロのところのコードのD→Am7と繰り返すところが「民生解釈のポール」でaikoにとってポールとはあの作務衣のオッサンなのだろう。それにしても今のところ完全にギターアルバムである。でも、ピアノで作って、ギターは多分、頭の中でイメージしてやっているので基本、ギター全部ジャーンってストロークなんだよね。やっぱリフから積んでいくタイプの曲がないとギターアルバムとは言えないね。aikoに欠けているのはストーンズ性なのだね。歌詞は「お薬」の続編のような別れのシーンにおいてどう心のけ決着をつけるか的なaiko特有のシチュエーション。付き合うのは簡単だけど、別れるのは難しいよね」
司会者「なんだよ、急に」
・5曲目「終わらない日々」
kenzee「E→G#→A→Cのギターで始まる、ポール曲「You Know My Name」を彷彿とさせる1曲。ポールばっかりジャン。もうポールと結婚しちゃいなYO! 「たーとえばー」のサビでタンバリンが入ってくると7インチのドーナツ盤でも聴いているかの錯覚に陥る。実際はmp3でウォークマンです。サビのエンディングでA#m7-5→Aadd9→G#m→G6→C#m→Esus4onF#→Esus4onF→Eと半音進行するところの処理力こそがすなわちポール力である。しかしこのアルバム、ホントに「夏服」かね? おもっきしロンドンの曇り空なんですけど」
・6曲目「心日和」
kenzee「イントロのスタッカート気味の弦が心地よいポップス。「EACH TIME」期の大滝詠一とか聖子ちゃんを想起せざるを得ない1曲だ。ポイントは決して「ロンバケ」期の大滝ではなく「EACH TIME」であるということだ。つまり、ブリティッシュなのだ。ボクにとってaikoのイメージはコッチだね。要は80年代のアイドルポップス。今、こういう意図的に聖子ちゃんポップ書ける人ってつんくか筒美京平ぐらいしかいないよ。aikoがこの路線でグイグイ行ってたら今頃ユーミンさんみたいな「アイドル曲と恋愛の女王」になってかもしれない。そういえばアイドル曲の依頼とかこないのかな。マ、難しいからな、この人の歌。wikiによればこの曲には振り付けがあるらしい。これ以外では「イジワルな天使~」と「花火」だけだそうだ。振り付け…ヤッパ、アイドルポップだからネ」
・7曲目「September」
kenzee「竹内まりや風ハチロクの60年代風バラード。「ボーイ・ハント」というか「けんかをやめて」というかそういう世界。しかしここにきてポップス作家の面目躍如といったサビの展開である。「セープテンバー セープテンバー」のC#m7-5→CM7→Bm7→B♭M7といういつもの半音進行から2周目の「かーぜはー やまーないー」でE♭aug→GonD→C#m7-5→CM7と同じメロディで代理和音展開するとことか超好き。ベイビーフェイスみたいで。ニール・セダカはこんな凝ったことしないですよ。前半のギターロックの世界で「ハ~ア~この人ライブで盛り上げることしか考えてないジャン。ガッカリ」とか思ってた矢先にこういう小粋なバラードがポコっとでてくるので油断ができない。「夏の坂道に揺れて見えるのは自分自身の未練の残る幼い恋の記憶だ」という、夏の風景画のような1曲。こういう福永武彦というか大林宣彦というか日本の伝統的な私小説が書けるから私はaikoを信用するのだ」
・8曲目「雨降るオーバーオール」
kenzee「シュガーベイブ「素敵なメロディ」風、つまりKEITH「98.6」風シャッフルビートの60年代ブリティッシュポップ。で、もういちいち驚きませんがaikoアルバムには1曲必ず入るキチガイコード進行曲。これに管のフレーズつけさせられるアレンジャーも大変。しかしこういう曲をどうやって書いているのだろう? やはりコードから起こすのか。それならばメロディをつけるのが大変そうだが」
・9曲目「アスパラ」
kenzee「これはワシ大好きやガナ! ブリティッシュのグズグズの空の下で別れるだの心が痛いだの言うてたのが一転してニューオーリンズでっせ! なによりこの時代に25,6の娘がセカンドラインの曲をやっていたとはね! セカンドラインというのはビートの名称で要は「デッデッデ、ンデデッデ」というリズムのこと。ナニソレ、旨いの?という方にはドクタージョンの「GUMBO」というアルバムをオススメする。あるいは日本のボ・ガンボスのファーストでもいいだろう。75年の大瀧詠一セカンドアルバム「ナイアガラムーン」はこのセカンドラインの嵐のようなアルバムだ。
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大滝氏によればこのビートにスリーコード、というのがこの音楽のキモらしい。ただ、日本人はやっぱりマイナーコードとかメイジャーセブンスでチャラ~ンみたいなことでないと理解されないのでこの世界は70年代末期には途絶えてしまう。大滝さんや細野さん自身もこの手の曲をやらなくなった。98年に山下達郎がアルバム「COZY」の中で「ドーナツ・ソング」で復活させたぐらいだ。もはやそれが邦楽においては最後かと思われた矢先、この見上げた娘がやっていたとはね! 演奏はキャラメル・ママです、と言ってもいいぐらいの鉄壁のアンサンブル。ボクはゼヒ、大滝さんと達郎さんに聞いて欲しいですよ。大滝さんなら「このリズムでこのコードプログレッションってこの子は変態だね~」とか言うと思うんですよ。達郎さんはコンガの使用に言及すると思う。達郎「このビートでファズギター入る時点で大滝さんの1969年のドラッグレースじゃないですか?」大滝「ウ~ン、なんでこんな若い子がこんなことやろうと思ったんだろうねえ。マ、ドラッグレースはちびまる子ちゃんの映画で使われたからそれで知ったのかナ」(架空の新春放談)とか言うだろう。一体、どれだけ引き出し持っているのだろうaikoは。とにかくこの曲1曲で800円ぐらいの価値があるので前半のギター大会のガッカリ感は帳消しだ」
司会者「どうせツタヤで「5枚1000円レンタルで一気借りしてきたクセに」
kenzee「とにかく得したのだ。でも歌詞は他の女の子とラブラブ状態の男子に片思い、という辛い歌。どうしたって自分に振り向いてくれそうもない。私の心も溶けたアイスみたいにおいしくないわ、という他愛もないもの。で、アスパラって、それどういうこと?」
・10曲目「ボーイフレンド」
kenzee「やっとボーイフレンドである。因縁のボーイフレンドである。改めて歌詞を読みながら聴きましたけど、やっぱりコレ、「大好きな彼氏とホテル行って夜を明かしました」って歌である。本当の愛があればチンコがテトラポットでもアリだ!と世の短小な男子にとっては福音の一曲。なにしろバンジョーのイントロで始まるのだ。普通に生活しててバンジョー聴くことなどコレ聴く以外にないだろう。身の回りにカントリー好きなどいないし。冗談はこれくらいにして、とにかく演奏がいい。プレイヤーが楽しんで演奏しているのがわかる。いわゆる賃労働ではない演奏だ。最近はこういう和気あいあいとしたスタジオの雰囲気まで伝わってくるような音楽が少なくなってしまった。なにしろボカロ以降、一人で完結するのが普通という時代になったのだから。コンガやバンジョーのプレイヤーにちゃんとしたギャラが払えるのは音楽産業が回っていたからである。今、このようなセッションは可能だろうか。HMV破産のニュースを聞いた今となっては音楽バブル時代の貴重な記録音源かもしれない」
・11曲目「初恋」
kenzee「やっとここまできたよ! ラストを飾る初恋。「カブトムシ」の続編のようなバラード。見事な直球バラード。「とにかくあなたが好き!」という歌。つまり、鉄板だ。とくに言うことはない。サビの直前で一瞬ドラムがタメるところがあるが、つまりaikoのセッションにおいてドンカマを使用していないことの証左である。こういう人間のビートも減ってきている……」
ボートラ「夏服」
司会者「ボートラあるよ~」
kenzee「もう、「初恋」でキレイに終わったじゃないか! aiko自身の弾き語りによる小品。「かつての彼氏に呼びかける。「夏が訪れる。だが、まだ夏服を着ないで」と。こちらはまだ冬の失恋のさなかにいるのだから」という失った恋の歌。「夏服」ってそういう意味やったんや! ナルホド!決して「夏だ!チューブだ!新島だ!」という歌ではなかったんだね! だから全体的にブリティッシュのダークな感じが覆ってたんだね!」
司会者「早く終わりたがってるだろ」
kenzee「まるで音楽室で録音したかのようなデッドなピアノ。aikoのデモってこんな感じなのか。aikoらしい難しい歌だね」
・アルバムトータルの感想
kenzee「今回はB面にやられた。アイドルポップの心日和~オールディーズ2.0みたいなSeptember~変態の雨降るオーバーオール~オヤジキラーのアスパラ~ボーイフレンド~初恋の流れは完全に心鷲掴みにされました。音楽チンコのテトラポットはボッキ~ンとイキリ立ちましたデ!」
司会者「せっかくここまできて下品な終わり方だな!」
kenzee「この流れに愚息も昇天ですがナ」
司会者「……」
kenzee「ちょっとマジメな話すると最後の「夏服」は次回作への予告編なのかなと思った。「夏服」はつまり、ローラ・ニーロ、キャロル・キング、バリー・マンの世界なのだね。つまり、ビートルズとアメリカ南部と西海岸はやり尽くしたので次は東海岸へ行くと思うんだ。なにしろシュガーベイブができる人なのでスーッと60年代のニューヨークへ飛べると思うのだ。4作目「秋 そばにいるよ」はゼヒ、そっちの世界であってほしい。もうディストーションギターはオナカいっぱい。というワケで、ちゃんと数勘定してないけどあと100曲ぐらいになったかな? じゃ、みんなも「秋 そばにいるよ」を予習しといてネ。ところでaikoアルバムは今、ベスト盤も含めて全部旧譜なのでツタヤに行くと2000円で10枚借りれるよ。ホンット、レンタル屋があってヨカッタね!」

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コメント

 毎回興味深く読んでます。
 aikoの楽曲の特徴である、変態的なコード進行、ジョンレノンのような、ディスコードを平気でぶつけるメロディーライン、一般的な楽曲と違い、Aメロやサビに戻ってこない非jpop的な曲構成(アスパラ等)にはまって以来聞き続けています。(もちろん歌詞も物凄いのですが...身体性というか、皮膚感覚というか、体が受け止めた感覚をうまく歌詞にしているなぁという気がします)
 kanzeeさんのレビューはコード進行等、楽曲の細部に言及している内容が多いので、大変楽しみです。
 さて、夏服ですが、私が最初に聞いたときの印象は、「あれあれ?ドナルドフェーゲンぽいな」ということでした。(特に「飛行機」「初恋」)。意識して聞くと、「初恋」のブラスアレンジでは、Nightflyの中のMaxineそっくりのメロディーが出来てきたり....。テンションコードと複雑なコード進行も多いですしね(ギターが大変そう)
 あと、話は変わりますが、「ボーイフレンド」。あの曲は凄いですね。「メロディー&暴力」ですね。ビンボールのようにコードにぶつかりまくる旋律。帳尻があわなければ、平然とオクターブ下げてでも無理矢理メロディーを継続する暴走列車的な節回し。あの過激さは、「若さ」ゆえなのでしょうか。
 これからも楽しみにしています。

投稿: ゆでたまご | 2013年1月21日 (月) 12時12分

いえ、アルバム未収録曲は全シングルに入っていますよ。
ただしナキ・ムシのカップリング「二時頃」だけはベストアルバムに初収録されました。
ファーストシングルはマキシ化されましたがレンタルでは難しそうです。
あれはタイアップの関係で一枚契約のバイトとして吹き込むことになったために小森田実の曲になったそうで、案外売れたのでそのままメジャーデビューできたそうです。
また、桜の時は当時ちょこっと流行った完全限定盤ってやつなのでレアなんです。ブックオフでもおいくら千円で置いてある場合があったりして困ります。

投稿: 紅 | 2013年1月21日 (月) 12時21分

楽しく読んでます。
コード進行や背景の類推については、これまでも何度と無く俎上に上がってきましたが、
断片的だったり非難中傷冷やかしが入ったりしてるうちにウヤムヤになり、
ここまで一貫して続けて下さってるのは初めて見ました。
ありがとうございます。
シングル購入ありがとうございます。残り全部を送りたいくらいです。

(ここからネタバレ注意)

先週末からツアーが始まり、傷跡、be master of my life、power of love等の
昔の曲が久しぶりにライブで聴けます。ちょこっと編曲も変わって。
特に、傷跡は本当に久しぶりなのでよろしかったらどうぞ。
残りの会場は大阪・名古屋・さいたまです。
会場を広くしすぎたようで、ライブ日直前のヤフオクでは定価割れ続出してますので。
長文失礼しました。

投稿: 774 | 2013年1月21日 (月) 20時36分

>ブックオフ得意の叩き売り商法でシングルすべて1枚300円!
1年以上前のシングルが300円だったら今時高価な方ですよ。
てか初回限定版(カラートレイ)じゃないですか?
並べると綺麗なんですよね。

>外野の目から見ると閉鎖的という印象は拭えない
でもライブ行くとびっくり、10代の女子が半分ぐらい。
今の若い子ってどこでaiko知って何を気に入るんだろう。
今や見た目も若くないし、目立つようなヒット曲は出てないのに。

投稿: パンチ | 2013年1月21日 (月) 22時48分

ゆでたまごさん。

ドナルドフェイゲンはまったく思いもよりませんでしたね。なんでも聞いてみないとわからないなあ。「ボーイフレンド」はラッキーパンチみたいな曲だったと思いますよ。ああいう曲って後にも先にもないのでね。~の続編だなあみたいなヤツではないのでね。曲は割と素直なんですよ。でもアレにあのメロディがつくかね。鼻歌ではでないね。鼻歌で暴走ならわかるのですがaikoはどうもちゃんと鍵盤で作ってるクサイ。しかもデモ段階からスコアしてるクサイ。つまり変態ですよね。

投稿: kenzee | 2013年1月22日 (火) 00時59分

紅さん。

エ?全シングルに入ってるの?
ガーン。つまりデビュー当初から「シングル購入者特典」という意図があったということか。スゴイなあ。結構ベテランの人でも行き当たりばったりでシングル切ってるのに。小田和正とか。そういう美意識とかどこからでてきたんだろう。確かにaikoシングルにはスーベニール感ありますもんね。ソレなかったらさすがに300円でも買わないもの。ということでゴールが遠のいてしまいました。

投稿: kenzee | 2013年1月22日 (火) 01時03分

774さん。
残りのシングルを送っていただいたらゴールが遥か向こうに消し飛んでしまいます。まあこうやってブツがイロイロでてくると「この人15年間よく働いたな」と思いますね。なんかモーレツ社員感ありますよね。人間宣言の人とは同期だけど仕事量が違いますワ。で、ずーっとライブもやってるしねえ。「傷跡」のアレンジ違いは気になるね。アレは上手い人が集まってやったらモダンジャズのセッションぐらいのことにはなるだろう。ライブは興味あるねえ…。

投稿: kenzee | 2013年1月22日 (火) 01時13分

パンチさん。

たぶん、おっしゃる通り初回盤なんじゃないかなあ。透明のオビにオビの色のカラートレイですワ。ブックレットもテカテカ加工のヤツとかあるし。で、コレ全部同じ人が売ったんだと思うけどメチャキレイに保存してて傷ひとつついてないんですよ。たぶん女の人だね。なんで一気売りしたんだろう。結婚を機にとかかなあ。

10代の女子が半分ぐらいって不思議な現象ですね! 我々ぐらいの世代に例えたらユーミンさんぐらい上のミュージシャンになりますからね。どっから聞きつけるんだろう。ネットでは拾えないし。「大人の音楽を子供が聴く」の図でもないし。それに今の10代だとaikoのようなバンドアンサンブル自体聞きなれないだろうし。9割人間の演奏っていう。わからんなあ、ソレ、わからんワ。

投稿: kenzee | 2013年1月22日 (火) 01時24分

kenzeeさん

>「傷跡」のアレンジ違いは気になるね。アレは上手い人が集まってやったらモダンジャズのセッションぐらいのことにはなるだろう。ライブは興味あるねえ…。

もしも時間があれば、最初のライブDVD「Love Like Pop [DVD]」を見てみてください。
http://www.amazon.co.jp/Love-Like-Pop-DVD-aiko/dp/B00005HP5M/ref=sr_1_9?s=dvd&ie=UTF8&qid=1358785089&sr=1-9

傷跡のライブバージョンが収録されているのですが、グルーブ感がすごいのなんの。楽器とボーカルのからみも鳥肌ものです。強く強くおすすめです。

投稿: ゆでたまご | 2013年1月22日 (火) 01時26分

興味深く拝見させて頂いております。

マキシシングルCDですが、楽天レンタルなどネットレンタルならお安く手に入るかと思います。
マラソンの距離が伸びてしまいますが…

投稿: シングル | 2013年1月25日 (金) 06時59分

興味深く拝見させて頂いております。

マキシシングルCDですが、楽天レンタルなどネットレンタルならお安く手に入るかと思います。
マラソンの距離が伸びてしまいますが…

投稿: シングル | 2013年1月25日 (金) 07時00分

ハ! ツタヤディスカスとか楽天レンタルとかあった! しかし大変なことになってしまふ!

投稿: kenzee | 2013年1月26日 (土) 16時01分

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